【エンタメ】横浜にキャッツ・シアター誕生
2009/11/21
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■ゴミ分別徹底の街に “猫たち”来る
東京・五反田でロングラン上演されてきたミュージカル「キャッツ」の閉幕から約半年。横浜・みなとみらい地区に新しい専用仮設劇場「キヤノン・キャッツ・シアター」が誕生した。完成したばかりの劇場を訪ねた。
JR横浜駅東口を出て歩くこと約10分。黒地に猫の目が黄色く光るおなじみの「キャッツ・シアター」が見えてきた。赤いじゅうたんが敷き詰められたロビーを通過し、円形劇場に通じるドアを開けると、そこはもう異空間! セットの“ゴミ”と光に覆いつくされた劇場内に入った瞬間、野良猫の住まいに迷い込んだような錯覚に襲われた。舞台前方数列が開演と同時にゆっくりと回転する“回転席”を五反田から移築。舞台最前面から客席最後列までの長さは約19.5メートルという近さで、どの席からも、臨場感あふれる舞台を体験できそうだ。
◆ご当地ならでは
「キャッツ」は人間が一切登場せず、ゴミ捨て場に集まる24匹の猫のエピソードを集めた型破りな内容。これまでに東京、大阪、福岡など8都市で上演。横浜公演は、五反田の借地契約終了後の上演場所を探していた劇団四季と開港150周年を迎えた横浜市との間で市の土地を活用する案がまとまり、専用劇場の建設が決まった。舞台は24匹の猫が暮らす都会のゴミ捨て場。猫の視界にあわせ実物の3倍に設計され、空き缶は高さ36センチにもなる。
公演地ごとに話題になるのが公演地ゆかりのご当地ゴミのセットだ。中華街や赤レンガ倉庫、ベイブリッジなど、港町として発展し異国情緒とエスプリあふれる横浜を象徴するゴミは?と探してみると、あった! あった! 崎陽軒の弁当箱にしょうゆ差し、横浜F・マリノスのメガホンにヨコハマドロップ…。頭上にはマリノスのサッカーボールも飾られている。
東京公演では、東京タワーのモニュメントや雷おこし、静岡公演では茶筒、広島ではもみじ饅頭(まんじゅう)など、ご当地ムードあふれるゴミが選ばれた。各地の公演のたびに遊び心あふれた小道具と出合えるのもキャッツの魅力のひとつなのだろう。
さらに今回、親子観劇室の横に少し悲しげな表情をした水色のぬいぐるみが登場した。広報宣伝部によると、実はこのぬいぐるみ、横浜市が進めるゴミ減量・リサイクル活動のマスコットキャラクター「へら星人ミーオ」だそうだ。
横浜市では、リサイクル都市を目指し4年前から、市内から出るゴミの30%減量を目指す運動を繰り広げている。中田宏前市長は、今春の製作発表で「横浜市はゴミの分別に徹底して取り組み、40%もゴミが減った。生ゴミも堆肥(たいひ)化するので、猫たちには暮らしにくいかも」とユーモアたっぷりに発言し、環境先進都市としての取り組みをアピールした。
◆舞台のなかだけ
みなとみらい地区を歩くと、整備された道路にペットボトルなどのゴミはおちていない。ドラム缶や古本を積み上げて作った階段や台座を縦横無尽に走り、飛び跳ねる猫たちの世界は舞台のなかでしか見られない。
広報担当者は「きちんとしたストーリー性があるわけではないキャッツがこれだけ長く愛されるのは、子供からお年寄りまで見る人によっていろいろな見方ができるからだと思います。見るたびに新しい発見があるのが、3世代にわたって親しまれるのだと思います」と話す。
野性味と気高さ、自由を謳歌(おうか)する素晴らしさを教えてくれる猫たちに、また会いたくなった。(文 村島有紀)
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