トヨタ「揺らぐ信頼」米で400万台無償交換 強まる風当たり警戒
2009/11/26
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米国で発生したトヨタ自動車のフロアマット問題は25日、約400万台の大規模な無償交換に発展した。業績の早期回復を急ぐトヨタは、車両に欠陥はないとしながらも収益改善のカギを握る米国でのイメージダウンの回避を最優先した格好だ。米国民の間では、トヨタ車に対する「安全」への信頼低下などから、トヨタに対する悪感情が芽生えているとの見方もあり、低迷する米国での販売回復を目指すトヨタへの逆風も懸念される。(鈴木正行、山口暢彦)
「(米国サイドとの)コミュニケーションが難しい」。トヨタの豊田章男社長は、10月に開幕した東京モーターショーの会場で、ゼネラル・モーターズ(GM)との折半出資による合弁会社「NUMMI(ヌーミー)」(カリフォルニア州)閉鎖など、米国との間で相次いだ問題について、周囲にこぼしていた。
今回の問題の根深さは約400億円とみられる対象車の改修費負担にとどまらない。気がかりは米国民の間にトヨタへの風当たりが強まっていることだ。
世界金融危機で業績が悪化したトヨタは8月下旬、ヌーミーの生産を来年3月で打ち切ると発表した。1990年代に吹き荒れた日米経済摩擦の“手打ち”を象徴する合弁会社の閉鎖に、シュワルツェネッガー知事は「悲しい日だ」とコメント。全米自動車労働組合(UAW)のゲテルフィンガー委員長も「何千人もの労働者にとってひどいニュースだ」と批判する声明を発表し、地元から落胆の声が挙がった。米国民の反日感情がもたらす悪影響を教訓として身に染みているトヨタにとって、ヌーミーの従業員の処遇などは細心の対応を迫られる課題だ。
そんな折りに発覚したフロアマット問題。発覚当初、トヨタは事故車で純正品より一回り大きい製品が使用されていたことなどを理由に、「マットの敷き方などに問題がある」との立場を取っていた。しかし、トヨタは2007年に同様の問題が起きた際にもマットの取り替えですませた経緯がある。このため、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は今回、原因の徹底追究を求めている。
その後も11月初旬、トヨタ車のユーザー2人が運転中に突然の急加速が起きたのは電子制御システムに欠陥があったとして、リコールを求める訴訟を米連邦地裁に起こしたことが判明。また、米保険団体が発表した「2010年の最も安全な車」では、09年に11車種が選ばれたトヨタから1車種も選ばれなかった。
岡三証券の岩元泰晶アナリストは「米国の消費者心理には、税金をつぎこんで救済したGMを支援したい気持ちがあり、“準米国企業”とみられていたトヨタに対する(温かい)ムードも変わってきている」とみる。米国民の間に「反トヨタ」の心理が芽生え出したとすれば、米国市場で安全性や品質の高さを売りにしてきた実績にかげりが出かねない。
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