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不況期こそ企業評価に新手法
2009/1/19
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企業業績が急激に後退し、企業の資金繰りが懸念されるなかで、金融機関の財務情報重視による企業評価、融資手法が、問い直され始めている。非財務情報を活用した新手法を構築、実践する好機が到来している。
≪金融庁の姿勢が緩んで≫
金融庁は昨年11月以来、金融機関の貸出条件緩和を進めている。国の信用保証制度が拡充されても、金融機関の審査姿勢が厳しいままだと企業への融資が実行されないからだ。
しかし、いかに景気のせいだとしても、財務状況が悪化した企業への融資を認めるとなると、金融機関の保有する企業データと審査データ、融資実行データとの整合性、一貫性が保てなくなる。経済が緊急事態だとは知りつつも、厳しかった金融庁の指導が手のひら返しされたことに違和感を覚える金融機関は少なくない。
金融庁の金融検査官も同様だ。各金融機関に対する金融検査は1、2年おきに数カ月間にわたり徹底して行われるが、「最近、金融検査を受けた金融機関では資産査定が外されていたという話だ」と、都内のある金融機関の役員は語る。
資産査定とは金融検査項目の1つで、金融機関が各企業をいかに自己査定したか、その合理性や整合性について、金融検査官が厳しく追及するヒアリングのこと。これが除外されるということは“いかなる自己査定も問わない”ともとれ、金融検査の意味は大きく毀損(きそん)される。結果、金融検査官から反発が出て、「金融検査局長自らが各金融検査官へ説明にあたった」(金融庁筋)という。
しかし、このような状況に際し、「金融機関は今こそ、いろいろとやってみるべきではないか」と話すのは、成城大学の村本孜教授だ。はからずも、金融庁の姿勢が緩んで金融機関の活動自由度が広がった。失敗を恐れず、さまざま融資手法に挑戦して、その融資実行データを集める好機ではないかという見方だ。その1つが、「知的資産経営評価融資」である。
≪経産省が研究会を開始≫
2009年1月14日、経産省は「知的資産経営評価融資研究会」(村本孜座長)を立上げた。「知的資産経営の評価に係る経験や知見を元に、あるべき非財務情報評価の視点を多面的かつ帰納法的に抽出する」(経産省知的財産政策室)とし、年度内に報告書をまとめる。
知的資産経営評価融資とは、融資に際して企業経営の状態や競争力のレベルを評価し、返済可能性を審査する時、経営者の資質、特許、ブランド力、技術力、ノウハウ、経営哲学、人材、組織、顧客・取引先ネットワーク等、企業の“知的資産”と呼ばれる非財務情報を積極的に活用する新たな融資手法である。
現在の融資審査は通常、財務情報が7〜8割、非財務情報が2〜3割で、財務重視となっている。背景には電算技術の発達で財務情報の定量分析が活発になり、データの客観性が高まった半面、非財務情報は定性的で、評価も個人の主観性が強くなること等がある。
人の問題もある。「バブル期以降、金融機関には企業の非財務情報の評価、収集を行える人材、それを指導できる人材が枯渇している」(地域金融機関の協会幹部)という。財務情報重視にならざるをえない。
非財務情報と成功融資の相関が解明されれば、財務情報のウエートの引き下げも可能になる。不況期、企業には待望の新手法となるのは間違いない。(知財情報&戦略システム 中岡浩)
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