リチウムイオン電池
2007/8/18
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松下電器産業の全額出資子会社、松下電池工業(大阪府守口市)が携帯電話端末世界最大手のノキア(フィンランド)向けに製造した携帯電話用リチウムイオン電池に発熱する恐れがあるとして、松下電器は全世界で無償交換に踏み切りました。交換する電池の数は4600万個にものぼります。その費用は200億円以上ともみられており、経営にも大きな影響を与えそうです。
携帯電話やパソコン向けなどの電池として普及しているリチウムイオン電池は、どんな特性があるのでしょうか。
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リチウムイオン電池は、充電して繰り返し使用できる2次電池の一つです。その歴史は浅く、ソニーが商用化に踏み切った1991年以降、急速に普及しました。
その構造は、プラス極にリチウムの金属酸化物を、マイナス極に炭素などを使い、その間をリチウムイオンが移動して電気を起こします。両極の間に絶縁シートを挟んで何層にも積み重ねてあるのが一般的です。
小型・軽量ながら、従来の2次電池の主流だったニッケル水素電池よりも2倍のエネルギー密度を持っています。いわば“小さくて薄く、そして力持ち”という特性があります。
このため、ノートパソコンや携帯電話など持ち運びする情報端末にぴったりの2次電池ともいえ、ものすごい勢いで普及しました。今では携帯情報端末だけでなく、デジタルカメラやビデオカメラなどの情報家電、ハイブリッド自動車、電気自転車などのバッテリーとしても利用され、2007年の世界需要は20億個を超えると推計されています。
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ただし、リチウムイオン電池の安全性に疑問符が付いたのは今回が初めてではありません。昨年には三洋電機の子会社が三菱電機向け携帯電話用電池が過熱したり、ソニー製のノートパソコン用電池が発火する不具合が相次ぎました。ソニーは約960万個にのぼる電池の無償交換を行いました。
こうした不具合はどうして起きたのでしょうか。リチウムイオン電池は過充電や過放電したり、電池を折り曲げたりすると、電池内部の温度が急上昇して発熱・発火する恐れがあります。しかし、こうした事態が起きないよう、発熱した場合に制御回路を遮断して出力が上がらない構造にするなどの安全策がとられています。
それでも不具合は絶えません。メーカーによると、製造工程に問題があったためとしています。今回の松下電池の場合、製造工程で電池のプラス極とマイナス極を隔てる絶縁シートが破れ、両極が接触したことが発熱の原因としています。昨年のソニーのノートパソコン用電池では、製造時に電池内部にごくわずかな金属粉が混入したことが発火原因と分析しています。
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度重なる不具合の発覚により、経済産業省はメーカー各社に対して、電池内部で発火しない設計を義務化する方針を固めたもようです。一世帯でたくさんのリチウムイオン電池が使用されている現状を踏まえれば、当然の措置といえるでしょう。
現段階では、リチウムイオン電池にとって代わるような小型・高出力の2次電池は実用化されていません。三洋、ソニー、松下の大手3社で世界シェアの6割以上を占めているだけに、日本企業の威信をかけた安全性確保が求められているといえます。(松元洋平)
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