簡易保険
2007/10/13
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![]() 郵政民営化によって「簡保」も大きく変わっていく=1日、東京・丸の内の東京中央区郵便局 |
■医師の「診査」なし/職業による加入制限なし
政府出資の株式会社、日本郵政グループが今月1日に発足。136年続いた国営の郵政事業が民営化されて同グループが事業を引き継ぎました。民営化によって郵便や郵便貯金などの各事業は変化することになりますが、「簡保(かんぽ)」の名称で親しまれた簡易保険も日本郵政グループの「かんぽ生命保険」に事業が継承されて大きく変わります。簡保はどういった商品で、どう変化するのでしょうか。
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簡易保険は、旧日本郵政公社が取り扱っていた生命保険で、1916(大正5)年に旧逓信省(現総務省)が取り扱いを開始しました。民間の生保会社が取り扱う生命保険は金融庁が所管する「保険業法」の規制を受けていますが、簡易保険は総務省が所管する「簡易生命保険法」の規制を受けていたところに大きな違いがありました。民営化後は、一般の生命保険と基本的には同等の扱いとなります。
簡易保険の主力商品は貯蓄性の高い養老保険です。契約者が死亡した際に保険金が受け取れる死亡保障機能と満期時に保険金が支払われる貯蓄機能を持った保険商品で、新規契約に占める割合は2007年3月期で74・6%に達します。しかし、バブル崩壊後の運用環境の悪化に伴って貯蓄商品としての魅力が大幅に減るとともに少子高齢化で死亡保障の需要も低下しているために、07年3月期の新規契約件数は前年度比20・6%減の約238万件と直近5年間で最大の下落率を記録しているなど苦境が続いています。そのため、将来的に民間生保で売れ行きのいい医療保険の販売を目指しています。
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簡易保険商品の特徴は、民間の保険会社の生保商品と比べてシンプルな点にあります。契約時に加入者の健康状態について医師が診察する「診査」がありません。健康状態などの質問に対して回答する「告知」だけで加入できるほか、職業による加入制限がないなどといった手軽さが特徴です。一方で、加入限度額が1000万円といった制限があります。これらの特徴は、民営化後も継続されています。
こういったシンプルさに加えて、「政府保証」という特徴もあります。これは、従来は国が運営していた制度だったので、債務超過に陥るなど万が一の事態となっても政府が支払いを保証するというものです。民間の保険会社が経営破綻(はたん)した場合には、生命保険契約者保護機構が高い予定利率の契約を除いて将来の保険金などの支払いに備えて積み立てている準備金である「責任準備金」の90%を補償すると規定されています。完全に補償されるわけではないので、契約者にとって「破綻リスク」がないことは簡易保険の大きな強みになっていました。
しかし、この政府保証は大きく変化します。民営化前に契約した簡易保険は管理機構が引き継いで政府保証が継続しますが、民営化後にかんぽ生命の商品に加入した場合には政府保証は付きません。民間生保会社と同じく生命保険契約者保護制度で責任準備金の90%が保護されることになります。
このように簡易保険は民営化によって大きく変化しました。特徴をよく見極めた上で契約の継続や新規の契約をよく検討してみてください。(三塚聖平)
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