酒造好適米
2007/11/13
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■日本酒醸造に使用/農家と蔵元が組み地域ブランド育成
米どころ、酒どころとして知られる新潟県が酒造好適米「越淡麗」を用いた日本酒を新潟ブランドとして育成しています。「越淡麗」は、新潟県下の農業研究施設や県醸造試験場と酒造組合がタイアップし、代表的な酒造好適米である「山田錦」と「五百万石」を交配させて誕生しました。
日本酒を醸造するときに必要なのは米のデンプン質です。タンパク質や脂肪は雑味の元になるので、できるだけ少ない方がよいとされています。このため、酒造り用の米は、食用の米よりも多く糠を削り落とします。「越淡麗」は精米しても割れにくいため、玄米段階との重量比で半分まで削り取った米で製造する「大吟醸」に適しています。
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酒造好適米は、玄米の中心部に白色で不透明な部分があります。この部分は心白(しんぱく)と呼ばれています。大吟醸や吟醸酒といった高級な日本酒は精米することによって、この部分だけを取り出して醸造に使用します。このため、心白が大きく、米自体が大粒で、削っても砕けることがない粘り気が強い米が良い酒造好適米といえます。
日本酒を醸造する原料に適している米が酒造好適米と呼ばれて、主食用の米品種と区別されているわけです。「山田錦」「五百万石」「越淡麗」のほかにも「美山錦」「雄町」「吟風」などの品種が有名です。日本酒の醸造には、「日本晴」「黄金晴」など食用にもなる米の品種も使用されますが、主に普通酒の醸造に使用されています。吟醸酒、大吟醸など比較的高級な日本酒は酒造好適米が使用されるケースが多いです。
新潟県の酒造組合は、「越淡麗」を県内の蔵元で独占使用する方針です。農水省も地域活性化のために農水産物や食品産業で地域ブランドを育成する事業を開始しています。酒造メーカーとの契約栽培で酒造好適米の供給基地を目指している県は同じ米どころである東北地方にも見られます。
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都道府県単位でなく、市町村といった小さな単位の自治体でも独自ブランドの日本酒を地元の米で地元の蔵元に製造してもらっているところは全国あちらこちらにあります。栃木県茂木町にある安部酒造は、地下水と地元産の酒造好適米「五百万石」を原料に純米吟醸酒「棚田の雫」を製造しています。
「棚田」は、傾斜地にある稲作地のことで、山間部で傾斜がきつい土地のなので耕作単位が狭い田が規則的に並んでいます。茂木町の「棚田」は、景観がよいことから全国「棚田100選」にも選ばれました。小さな町でも観光客誘致や地域振興に農家と蔵元がタッグを組んで成功している好例です。酒造好適米を用いて農業と地元蔵元がタッグを組んで地域ブランドを育てる動きは今後ますます拡大しそうです。(財川典男)
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