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成長への新たなシナリオ 医薬工業協議会会長・澤井弘行氏

2008/3/31

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【プロフィル】澤井弘行
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 さわい・ひろゆき 大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了。63年沢井製薬入社。68年常務、78年専務、88年9月社長。2007年5月医薬工業協議会会長。70歳。大阪府出身。
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【プロフィル】澤井弘行

 さわい・ひろゆき 大阪大学大学院薬学研究科修士課程修了。63年沢井製薬入社。68年常務、78年専務、88年9月社長。2007年5月医薬工業協議会会長。70歳。大阪府出身。

 −−今年はジェネリック医薬品(後発医薬品)元年。協議会の名称も4月1日から日本ジェネリック製薬協会に変更する

 「医薬工業協議会(医薬協)は、医療用ジェネリック医薬品メーカーの集まりで、1968年3月に設立された。ちょうど今年は設立40周年で、しかも、昨年10月には厚生労働省から『後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム』も発表され、いよいよ日本もジェネリック医薬品が本格的に普及する環境が整い始めた。これを機に医薬協の名称を変更し、ジェネリック医薬品の果たす役割を一層広く訴え、国民の皆様、医療関係者の理解を促したい」

                   ◇

 −−欧米と比べてジェネリック医薬品が使われていない原因は

 「ジェネリック医薬品の数量シェアを国際的に比較すると、日本は欧米の3分の1以下だ。これは欧米では、医療の質を落とさずに医療費を削減し、患者の負担を軽減するというメリットに着目した政府が、ジェネリック医薬品の普及を後押ししたのに対して、日本ではこれまで、ジェネリック医薬品のメリットが十分認識されていなかったという面が大きいのではないか。ジェネリック医薬品は、特許終了後の先発医薬品と品質、有効性、安全性が同等であることが、薬事法に基づいて承認された医薬品で、価格も平均して先発医薬品の4〜5割ほどと安い。そのため医療費の削減、患者の負担軽減に大きく貢献する」

 −−医薬協は、そのメリットを訴える活動に取り組んできた

 「ここ2、3年は特に一般向けや医療関係者向けに、ジェネリック医薬品と先発医薬品の違いを説明したパンフレットや小冊子を発行したり、治療を受ける際に患者が医師にジェネリック医薬品の処方を希望する旨を簡単に伝えることができるカードなどを作成してきた。また、全国紙に広告を出したり、ジェネリック医薬品に関するフォーラムに協賛するなど、普及・啓発に力を入れている」

 −−そうした活動が政府を動かした

 「政府は昨年6月に閣議決定した『経済財政改革の基本方針』で『平成24年度(2012年度)までに後発医薬品の数量シェアを30%以上にする』という目標を示した。それに基づいて作成されたアクションプログラムでは、それを実現するために、ジェネリック医薬品メーカーに対して安定供給、品質確保、情報の提供など、取り組むべき課題も明記されている。医薬協は同プログラムに先立ち、昨年8月に『信頼向上プロジェクト』をスタートさせ、こうした課題の解決と、目標達成に向け全力を挙げている」

                   ◇

 −−医療の現場でもジェネリック医薬品の使用が促進される環境づくりが進んでいる

 「従来、医師が発行する処方箋(せん)には『後発医薬品への変更可』という欄があって、この欄に医師が署名や記名・押印しないと、患者は調剤薬局でジェネリック医薬品をもらうことができなかった。だが、4月からは、この欄が『後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更がすべて不可の場合、署名又は記名・押印』と変わり、ここに医師が署名や記名・押印をしない限り、調剤薬局でジェネリック医薬品を自由に購入できるようになる。また、厚生労働省により、今春、全国約5万の調剤薬局にジェネリック医薬品を説明するポスターも張られる。日本ジェネリック製薬協会と名称を変更するのに伴い、活動を一層強化し、ジェネリック医薬品への信頼を高めたい」

                   ◇

 ■名称、ロゴ あすから一新

 医薬工業協議会は4月1日から日本ジェネリック製薬協会に名称を変更するとともに、新しいシンボルマーク、ロゴを採用する。新しいシンボルマークの中心の球体は、ジェネリック医薬品の品質再評価結果などを掲載する「医療用医薬品 品質情報集」が通称、「日本版オレンジブック」と呼ばれ、表紙がオレンジ色であることから、これを基本色に、錠剤、および活力にあふれた地球をイメージする。それを包む3つの輪は、協会が使命として取り組むジェネリック医薬品の品質(ブルー)、安定供給(グリーン)、情報提供(レッド)を表す。

 会員企業は現在、41社だが、4月1日にはもう2社増え43社となる予定で、先発医薬品と後発医薬品の両方を製造する大手メーカーに加盟を呼びかける一方、昨年12月に商社や製薬機械のメーカーなどを対象にする賛助会員制度を新設し、活動基盤の強化も図っている。

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【メモ】

 ▽本部=東京都中央区日本橋本町4−3−10 日本橋銀三ビル

 ▽設立=1968年3月(65年12月に設立されたTDS〔チアミンジスルフィド〕協議会を改組し発足)

 ▽会員=43社、ほかに賛助会員4社(2008年4月1日)

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 ■安心のプログラム

 ■官民挙げ普及促進体制

 日本におけるジェネリック医薬品の普及は、これからが本番だ。その“後ろ盾”となるのが、澤井会長が強調するように、昨年6月の閣議決定と、それをもとに厚生労働省が昨年10月に作成した「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」だ。

 同プログラムは文字通り、患者と医療関係者が安心してジェネリック医薬品を使用することができるように、同医薬品の(1)安定供給(2)品質確保(3)情報提供(4)使用環境整備(5)医療保険制度上の改革−などに関して国や関係者が取り組むべき課題を明示している。

 この中で特に、ジェネリック医薬品メーカーに対しては、納品までの時間短縮、在庫の確保、供給能力の増強、品質試験データの提供、MR(医薬情報担当者)の教育充実などが課題とされている。

 また、国も「医療関係者・国民向けのポスター、パンフレットの作成・配布」や、医療関係者と都道府県の担当者などによる協議会の発足に取り組むとともに、「プログラムの実施状況を定期的にモニタリングして、結果を公表し、必要に応じ追加的な施策を講じる」とされている。

 こうした官民挙げての体制が整い始めたことで、欧米と比べて3分の1以下というジェネリック医薬品のシェア拡大が期待される。

 病院、診療所が使う医薬品を記載した薬価収載の対象になっているジェネリック医薬品は6000品目を超え、先発医薬品の倍以上に多い。だが、「ジェネリック医薬品とひとまとめに呼ばれるので、一つの問題が起こると、ジェネリック医薬品全体、業界全体の問題と受け取られる」(澤井会長)という面もある。

 ジェネリック医薬品メーカーが、示された課題を解決し、そうした面を乗り越える支援をするのが、新しい日本ジェネリック製薬協会の最大の仕事だといえよう。

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 ≪TOPICS≫

 ■パンフ、カード、小冊子… 簡単に、わかりやすく

 医薬工業協議会が作成している国民や医療関係者向けのパンフレット、カード、小冊子などが好評だ。国民向けに作成・配布しているのは、「ご存じですか? ジェネリック医薬品」と題する1枚のパンフレットとカードで、パンフレットは「みんなの医療費(薬剤費)負担が軽くなるお薬です」として、「ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れたあとに発売され…新薬と同様にさまざまな基準を守って製造…」と簡単だがわかりやすく説明されている。

 また、「ジェネリック医薬品を希望します」と書かれたカードは、治療を受ける際に、医師にそのまま渡すことができる様式になっている。いずれも協議会のホームページからダウンロードして印刷することができる。

 ジェネリック薬品を説明するポスターおよび医療関係者向けの「ジェネリック医薬品Q&A」(B5判14ページの小冊子で、ジェネリック医薬品に関する審査、承認、製造、品質、効能・効果、情報の提供、副作用などについて、項目ごとに詳しく説明されている)も厚生労働省により、今春、全国の調剤薬局に配布されるなど、今後、ジェネリック医薬品の文字を目にする機会が一気に増えそうだ。

世界のジェネリック医薬品シェア(2006)
※海外はIMS Health(米)、日本は医薬工業協議会調べ(2006年度)
世界のジェネリック医薬品シェア(2006) ※海外はIMS Health(米)、日本は医薬工業協議会調べ(2006年度)

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