川崎市、エコ地下鉄研究 夢の電池車両、コストの壁
2009/11/20
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地下鉄建設を計画している川崎市が、新たなリチウムイオン電池車両の実用化に向け、研究を進めることを決めた。鉄道や電気自動車の専門家によるプロジェクトチームを今月にも立ち上げ、2015年度着工を目指す。
阿部孝夫市長は「環境により良い地下鉄技術を世界に発信したい」と意気込むが、新車両の開発費や大容量の電池の性能、コストなど課題は山積。“夢”の実現にハードルは高い。
◆期待の「エリーカ」
地下鉄計画は、市北部の小田急線新百合ケ丘駅と、中部の東急東横線とJR南武線が交わる武蔵小杉駅の17キロを結び、最終的に南部の川崎駅まで延伸する構想。
阿部市長が目玉と考えているのが、慶応大が企業と共同で開発した高性能電気自動車「Eliica(エリーカ)」の技術の応用。エリーカはリチウムイオン電池を搭載し、最高時速370キロを記録した。8本のタイヤのホイール部分にそれぞれモーターを内蔵、エネルギーロスを少なくした。市はモーターを内蔵した車輪を採用するなどして「エネルギー効率の良い新車両を造りたい」(阿部市長)意向だ。
ただ、リチウムイオン電池車両の開発は発展途上なのが実情。リチウムイオン電池を動力源とした電車の実験を進めているJR東日本は「課題は走行距離やスピードを上げるための電池の性能向上」と指摘。路面電車での実験をしている鉄道総合技術研究所も「高価な電池のコストの克服が必要だ」と説明している。
◆来春、市に工場
えちぜん鉄道(福井市)の電車でリチウムイオン電池を積んで走行実験をした荻原隆福井大大学院教授(材料開発工学)は、最高時速70キロで40キロの連続走行に成功した。しかし「長い車両編成で運行間隔が短いと、小まめな充電が困難で電池の寿命も短くなってしまう」と話す。
リチウムイオン電池だけでなく、ニッケル水素電池を使った路面電車の開発も進む。川崎重工業は、07年12月から札幌市の路面電車で4カ月間試験走行した。「運行は問題なかったが、架線がないためにメンテナンス費用が安いなどの利点が理解されず、受注が得られていない」という。
こうした課題に阿部市長は「電気自動車が普及すれば電池のコスト問題もクリアされる。架線も不要でトンネルも小さくなり、費用が低減する」と強調する。市はエリーカ開発を契機に設立された電池メーカー「エリーパワー」(東京)にも協力を求める方針。同社は来春、川崎市に大型リチウムイオン電池の工場をつくる計画だ。
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