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【クルマの達人】プジョー 308CC

2009/11/23

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 ■スタイリッシュで爽快な走り

ボンネットから続く傾斜の大きなフロントウインドーは風の巻き込みを防ぐだけでなく、美しいフォルムを際立たせている(ナンバープレート部分は合成)=千葉県富津市
ボンネットから続く傾斜の大きなフロントウインドーは風の巻き込みを防ぐだけでなく、美しいフォルムを際立たせている(ナンバープレート部分は合成)=千葉県富津市

 カブリオレと呼ばれるオープンカーには、国内外のメーカーを問わずライバルが少なくない。プジョー・シトロエン・ジャポンによれば、電動で開け閉めできる金属製の屋根(メタルトップ)を持つ世界初の自動車は、75年前の1934年にパリで披露された。そのクルマは仏プジョーの「401エクリプス」。つまり、プジョーこそがこの分野のパイオニアというわけだ。

 「308CC」の「CC」は、クーペ&カブリオレを意味する。スタイリッシュなスタイルは、その名に恥じないインパクトがあり、プジョー車とひと目で分かる切れ長のヘッドライトが精悍(せいかん)さを引き立てている。ステアリングを握り、東京都内から千葉方面へとクルマを走らせた。

 ◆珍しい4段自動変速

リアはボリューム感たっぷり。テールランプにはLED(発光ダイオード)を採用
リアはボリューム感たっぷり。テールランプにはLED(発光ダイオード)を採用

 乗り込む前に、フロントウインドーのせり出し具合をまずチェックした。雑誌などで下調べしたとき、頭をぶつけやすいというユーザーの声が少なくなかったからだ。確かに、ウインドーを支える支柱(Aピラー)は大きな傾斜をつけて寝かされ、前席に座るとウインドーが頭上近くまで迫っている。もっとも、それを知った上で乗り降りすればよく、支障があるほどではない。試乗中に頭をぶつけることは、もちろん一度もなかった。

 一般道から高速道に入る。アクセルを踏み込むものの、いまひとつ物足りない。伸びやかな加速という表現がハマらないのだ。ターボ付きのエンジンには何ら不足はない。むしろ1.6リッタークラスとは思えないパワーを発揮する。恐らく、いまどき珍しい4速という変速段数の少なさが「乗り切れなさ」をもたらすのだろう。日産自動車の「GT−R スペックV」というスーパーカーを経験した後の試乗だったのは、308CCには不運だったかもしれないが。

 室内の静粛性は飛び抜けて高いわけではなく、ロードノイズを多少拾いがちだが、気になるほどではない。

 ◆屋根の開閉は20秒

 屋根の開閉は20秒ほどで完了する。オープンでの走行は、さすがに気持ちがいい。頭上近くのウインドーが少々邪魔といえなくもないが、半面、風の巻き込みが少なく、女性も髪の乱れを気にせず前席での爽快(そうかい)なドライブを楽しめるだろう。後席は前モデルの307CCより広くなったとはいえ、屋根がオープンの状態ならいざ知らず、閉じた状態だと頭上空間は十分とはいえない。足元も狭く、長時間のドライブは大人には厳しいかもしれない。

 些細(ささい)なことかもしれないが、水筒やペットボトルを手軽に置くスペースが前席周辺に見あたらなかったことに加え、カーナビがオプション装備だったことに不満を覚えた。何といっても400万円を軽く超える価格なのだから。外観の格好良さには文句のつけようがないだけに、より配慮が行き届けば一層の魅力を放つクルマだろう。(村山雅弥)

                   ◇

【プロフィル】村山雅弥

 むらやま・まさや 1985年入社。豊岡支局、大阪・東京本社経済部、政治部、さいたま総局、EX副編集長を経て経済本部。20年近く前にホンダ・プレリュードを手放し、公共交通機関&レンタカー派に転向。本欄担当デスクながら、現場の記者が忙しいときは試乗もこなしている。47歳。

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