日本経済 デフレ構造慢性化 忍び寄る「最悪のシナリオ」
2009/11/21
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![]() 月例経済報告の関係閣僚会議に臨む鳩山由紀夫首相(右)と菅直人副総理(経済財政担当相)=20日午後、首相官邸 |
政府は日本経済が「デフレ状況にある」と公式に宣言した。政府が2001年3月の月例経済報告でデフレを初めて認めて以来、日本経済は慢性的なデフレ状態にある。今回の「デフレ宣言」は事態が一段と深刻化していることを裏付けた格好で、日本経済は景気悪化と物価下落が同時に進む「デフレスパイラル」の恐怖に再び直面することになる。
物価下落で消費者は買い物はしやすくなる。だが、企業にとっては売り上げが減り収益が圧迫される。新規の設備投資はできず、倒産も増える。消費者(=労働者)の賃金は下がり、失業も増える。政府にとっては税収が減る要因。政策実行の資金を確保しようとして国債を増発すれば金利が上がり、住宅ローン上昇、設備投資の縮小を招く。その結果、日本全体の経済活動が停滞しデフレスパイラルに陥っていく。これが「最悪のシナリオ」だが、政府・日銀が手をこまねいていれば、このシナリオは絵空事ではなくなる。
国際通貨基金(IMF)は「少なくとも2年程度下落が続く状態」とデフレを定義するが、今の日本の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の下落は7カ月連続にとどまる。だが、国内総生産(GDP)で国民の生活実感に近い「名目成長率」が「実質成長率」を下回る「名実逆転」が2四半期連続で発生、4〜6月期の日本経済全体の需給ギャップも約40兆円の需要不足にある。今回のデフレ宣言は「さまざまな状況から(デフレの)方向が確認できたため」(津村啓介内閣府政務官)だ。
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デフレか否かの判断は高度な政治判断を伴う難しい作業だ。政府はデフレ脱却宣言はしなかったものの、06年7月に月例経済報告の基調判断からデフレの表現を削除し、同年9月には完全に消した。消費者物価は上昇基調にあったが、政府が「グレーゾーン」とみていたことがうかがえる。
背景には消費者の回復実感が乏しかったことがある。この間の物価上昇の主因は原油など輸入した原材料の高騰で企業収益が悪化し、賃金も抑制された。景気悪化が進行する一方で物価が上昇する「悪い物価上昇」の局面にあったわけだ。
デフレ脱却のカギは「内需拡大が物価上昇につながること」(民間エコノミスト)だ。企業収益が増え雇用・所得環境は好転し、さらに消費が拡大する「好循環」が生まれる。だが、日本経済は世界同時不況からの病み上がり状態で、「人口減・少子高齢化による『地盤沈下』でデフレ構造が慢性化している」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)との指摘もある。今回のデフレ宣言で追加経済対策(09年度2次補正予算)を打ち出す“おぜん立て”は整ったが、政府の言う「持続的成長経路への復帰」は難しい状況だ。(田端素央)
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