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| 「アイフォーン」を求める人たちで混雑する家電量販店=11日、東京・秋葉原のヨドバシカメラ |
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米アップルの高機能携帯電話端末「iPhone」(アイフォーン)の新モデルが11日、世界22カ国で同時発売された。初上陸となる国内ではソフトバンクモバイルが販売し、早朝に先行発売された東京・表参道の販売店には約1500人の長蛇の列ができた。
アイフォーンは、本格的なソフトウエアをインストールできるパソコン並みの高性能に加え、タッチパネル式画面の操作性や携帯音楽プレーヤー「iPod」(アイポッド)機能を内蔵した娯楽性が特徴。昨年6月に欧米で発売された初代モデルは携帯では後発ながら600万台の大ヒットを記録した。新モデルは、データ通信速度を高速化したほか、日本式のキー入力にも対応している。
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■ソフトバンクの収益貢献も未知数 一過性の“狂騒”?
“鎖国”市場に開国を迫る黒船か。はたまた一過性の狂騒に終わるのか。発売初日は3日前からの徹夜組を含む長蛇の列でブームを盛り上げるということではひとまず成功した。ただ、世界同時発売による品薄から商品を入荷できない店舗もあり、消費者の混乱も招いた。独自の“ケータイ文化”を持つ日本市場への浸透を疑問視する声が根強いほか、販売権を獲得したソフトバンクの収益への貢献も不透明で、その衝撃度はまだまだベールにつつまれたままだ。
≪供給不安≫
全国各地の行列は、事前の販売予約を認めなかったことが最大の要因。他の機種では応じている予約を認めなかったのは、「アップルの指導があったから」(東京都内の販売店)という。いったん予約を受け付けた後に取り消し、客と押し問答になるトラブルも起きた。
予約拒否についてソフトバンクとアップルは口をつぐむが、業界では「行列を作らせ、ブームを演出しようとしているとしか考えられない」との声がもっぱらだ。
供給不安も現実となった。初日の入荷が2、3台という店も多く、ソフトバンクの孫正義社長が事前に「瞬間蒸発で売り切れる」と予想していた通りの展開に。入荷がゼロだった販売店では「いつ入るかわからない。来店時にあれば買えます」と狂騒の蚊帳の外だ。
7〜9月期分の仕入れは40万台程度と推測されているが、JPモルガン証券の佐分博信シニアアナリストは「年内100万台の販売を予想していたので少ない印象だ。もっと調達したかったはず」と指摘する。
国内でのシェア拡大については見方が分かれる。佐分氏は月額利用料が割高なことから、「購入はアップルの熱心なファンか、金銭に余裕ある層に限られる」と推測。絵文字メールやワンセグ、おサイフケータイなどの日本独自仕様に対応していないこともマイナス要因で、一過性に終わるとみる。
これに対し、三菱UFJ証券の武藤重雄アナリストは「ゲーム機能などの評価が高まれば、新たなユーザーの開拓につながる」と予測する。
≪重荷≫
一方で、ソフトバンクの収益押し上げ効果は不透明感が強い。販売価格は国内メーカーの最新機種に比べると割安だが、ソフトバンクが販売店に1台当たり4万6000円もの補助金を支払う仕組みが重荷となる懸念がある。
さらにアイフォーンは日本独自のケータイ市場の慣行を破壊する可能性もはらんでいる。日本では通信事業会社が仕様などを主導。携帯メーカーは仕様に従って製品を開発するだけで、通信会社は端末を買い上げ、通信料のほか、さまざまなサービスの提供で稼いできた。
これに対しアイフォーンはメーカーであるアップル自らが音楽やソフトウエアを配信して稼ぐビジネスモデルを構築しており、ソフトバンクの収益源を侵食するのは必至だ。
こうした懸念から、11日の株式市場でソフトバンクの株価は終値で13円安の1958円と値を下げた。アイフォーンはソフトバンクにとって「両刃の剣」といえそうだ。(上野嘉之)
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