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新送電網キーテクの輪 電力業界、太陽光・重電と連携

2009/11/13

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 東京電力や関西電力など電力業界は、太陽光発電メーカーや重電メーカーとスクラムを組み、次世代電力網「スマートグリッド」向けのシステム開発に着手した。太陽光発電の普及が進み、電力供給の担い手になる時代に備え、電力網の安定的な運用を保つのが最大の狙い。同時に、電力消費をコントロールする仕組みを持つスマートグリッドの導入を後押しし、電力需給の最適化を目指す考えだ。

 電力の供給にあたって電力各社は、需給バランスを調整することで電圧や周波数といった「電気の品質」を確保しているが、天候に左右される太陽光発電が大量に導入されると、品質への悪影響が懸念されている。

 太陽光発電が一定のシェアを占めた場合、電力需要が落ち込む5月の大型連休時などの対策には約14兆円もの膨大なコストがかかるとの試算もある。品質維持に太陽光電力の抑制が欠かせず、新システムの開発で大幅なコスト削減につながる。

 実際、欧州では風力発電の大量導入によって安定供給に支障が出かねないケースが報告されており、スペインでは風力発電の出力を自動的に抑制する措置が2006年に導入されている。

 ◆1300万キロワットまでOK

 電力業界などが開発するシステムは、太陽電池で発電された直流電力を交流に変換する「パワーコンディショナー」を活用。この機器に内蔵されているカレンダー機能に信号を送り、太陽光の出力を調整できるようにする。この仕組みをすべての太陽光発電に導入すると、太陽光システムの販売価格に数百円から1000円程度がコストとして上乗せされる見込みだ。

 また、天候状況などで増減する細かい需要動向に応じ、無線機能で制御する方法も検討しており、この場合は1万円程度のコスト増が見込まれている。

 電力業界によると、これらの新システムを導入すれば、太陽光発電の供給が1300万キロワットになるまでは、大型蓄電池の設置などの対策をとらなくても安定的な電力供給を維持できるといい、「過大な国民負担を避けるためにも新システムは有効策といえる」としている。

 ◆国際標準化も推進

 現在、電気事業連合会と、太陽光発電システムの業界団体の太陽光発電協会、重電メーカーなどで構成する日本電機工業会(JEMA)が詳細を詰めており、技術開発をはじめ、認証基準や国際標準化といった手続きを早期に進めたい考えだ。

 太陽光発電の普及を図るため、家庭で生じた太陽光発電の余剰電力を従来の2倍の価格で買い取る制度が今月スタート。また、政府は自然エネルギーをすべて買い取る仕組みを検討するプロジェクトチームを始動させた。ただ、スマートグリッドには家庭などの電力消費をコントロールする仕組みが含まれており、半ば強制的な需要抑制の手法が国民の理解を得られるかがポイントになりそうだ。(上原すみ子)

                  ◇

 ■需給調整で省エネ効果

 「賢い送電網」を意味するスマートグリッドは、太陽光や風力など再生可能エネルギーを最大限活用する次世代型の送電網のことを指し、日米欧などが導入に向けて技術開発に取り組んでいる。電力需給の調整が可能になることから、省エネルギーを促す効果も見込まれている。

 出力が天候に左右される再生可能エネルギーを大量に送電網に組み込んだ場合、電力供給に悪影響を及ぼす可能性があるため、スマートグリッドのような仕組みで需給を調整することが欠かせない。具体的には大型の蓄電池を使って送電量を平準化したり、IT(情報技術)の活用で各発電設備の出力を調整するとともに、発電側の情報を基に電力消費を制御する「スマートメーター」などの機器を家庭やオフィスに設置して電力需要をコントロールする。

 国内では既に九州・沖縄地方の離島で実証事業がスタート。欧米ではスマートメーターの導入地域もある。13日夜に東京で開かれる鳩山由紀夫首相とオバマ米大統領の会談では、スマートグリッドの技術開発などでの協力を確認する方向だ。

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