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太陽電池 家庭に日差し 支援策追い風、京セラなど攻勢

2009/11/23

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 シャープなど太陽電池メーカーが国内での生産、販売体制の拡充に相次いで乗り出している。政府が住宅用太陽光発電システムの購入に対して、手厚い優遇制度を実施したため、家庭用が急伸しているからだ。国内2位の京セラは流通大手のイオンと組んで、大型ショッピングセンター(SC)内の店舗を活用して新たな顧客層を開拓するほか、同3位の三洋電機は太陽電池の基幹部品セルの生産能力を、2015年度に09年度比4倍以上の150万キロワットに引き上げる方針を打ち出した。市場を牽引(けんいん)してきた欧州での販売が減速している一方、国内市場への期待は高まっており、メーカー各社はエコポイントで販売を伸ばした薄型テレビの次なる戦略商品として、一気に攻勢に出る構えだ。

 ◆イオンと提携

 「漠然と太陽光発電を購入したいと思っていたが、どこで買っていいか分からなかったので、こういう場所ができてよかった」

 埼玉県越谷市のSC「イオンレイクタウン」を訪れた埼玉県川口市に住む主婦(53)はうれしそうに話した。週末になると多数の家族連れが集まるSCに、京セラとイオンが太陽光発電システムを紹介する「京セラソーラーFCレイクタウン」を8月に出店した。同店舗では、無料で設備導入費用の簡易見積もりを行うほか、設置を希望する顧客には近隣の京セラのフランチャイズ(FC)店を紹介している。

 これまで、太陽光発電システムの販売は訪問販売が多く、消費者からは「どこで買えるのか」といった声が京セラにも多く寄せられていた。こうした疑問に応えるため、京セラは5月にイオンと業務提携して店舗展開することを決めた。京セラ傘下で太陽光発電事業を手がける京セラソーラーコーポレーションの小西耕太郎取締役は「補助金などで太陽光発電への興味が高まる中で、消費者が買いやすい環境作りをする必要があると判断した」と説明する。

 ◆売り上げ・出荷倍増

 京セラでは、9月に「イオンモール日の出」(東京都日の出町)にも2店目を出店。両店を経由した設置の見積もりは10月末までに130件を突破。事前の予想を上回る成果を挙げている。京セラ全体の国内住宅向け太陽光発電システムの売上件数は、4〜9月期に前年同期比約2倍で、9月単月では過去最高を記録した。

 太陽光発電協会によると、今年7〜9月期の太陽電池の国内出荷は、発電能力ベースで前年同期比2.6倍増の13万6684キロワット(一般家庭3万9000戸に相当)となり、2四半期連続で過去最高を更新した。

                   ◇

 ■開発から営業まで 強化急ピッチ

 国や自治体の購入補助に加えて、今月からは太陽光で発電した余剰電力を従来の2倍の価格で電力会社が買い取る制度も導入され、需要はさらに伸びる見通しだ。メーカー各社の予測では、2009年度は前年度比2倍の50万キロワット近くにまで達するという。

 旺盛な需要に応えるため、国内メーカー各社では生産・販売体制の強化を急いでいる。三洋電機は日本の狭い屋根でも効率的に発電できる太陽電池を開発。発電効率は20%超と国内で最も高く、来春にも家庭向けの新製品として発売する。製品での差別化と同時に生産量も拡充し急拡大する太陽電池市場でナンバーワンを目指す構えだ。

 セルは二色の浜工場(大阪府貝塚市)と島根三洋電機(島根県雲南市)の2拠点で生産し、09年度の生産能力は34万キロワット。二色の浜では今月、3番目の新棟が完成、10年末に量産を始める。島根でも設備を増強し、10年度の生産能力は計56万5000キロワットに拡大する。ただ、両拠点とも増設余地は少なく、国内を軸に新工場建設も検討する。

 「環境やエネルギーなどを一体化したサービスを提供することでシナジー(相乗効果)を出す」

 パナソニックの大坪文雄社長は10月末の中間決算会見でこう述べ、目を輝かせた。現在、パナソニックが三洋を子会社化するためのTOB(株式公開買い付け)を実施しており、12月上旬の成立が見込まれている。パナソニックは統合を機に、1万8000店と国内最大の専門販売代理店を持つ販売網を活用して三洋の高い技術力に裏打ちされた製品を拡販していく。三洋電機の前田哲宏ソーラー事業部長も、「パナソニックグループが持つ住宅への販売ルートを利用できるメリットは大きい」と相乗効果を強調する。

 国内最大手のシャープは太陽電池事業に他の事業から人員を移し、開発から営業までを一貫して強化。西日本を中心とした従来の販売代理店ルートに加え、新たな販路を開拓するため7月に東京都内に販売代理店向けの研修施設を設置した。出先でも携帯電話の画面で太陽電池の発電状況が一目で分かるウェブサービスも加えた。国内4位の三菱電機も2〜3年後に販売店を現在の2倍となる約6000店に増やす。販売店の強化に加え、施工研修の拡充を図っており、09年度の受講者数は前年度比5倍の5000人を突破する見込みだ。

 各社は太陽電池を急成長が期待できる唯一の製品と位置づけ、経営資源を集中させている。ただ、低価格を武器にする中国メーカーなどの進出により価格下落も進んでおり、技術革新による生産面でのコスト削減も課題となりそうだ。(佐藤克史、三塚聖平)

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