6月の改正薬事法施行が関心を集めている。都道府県が資格試験を行う「登録販売者」を置けば、かぜ薬などの一般医薬品の大半が薬局以外でも販売できるようになるためで、早くも「特需」期待が広がってきた。
改正法は一般医薬品を副作用の危険度などで3区分し、比較的リスクの低いかぜ薬(第2類)、ビタミン剤や目薬(第3類)などは、薬剤師より資格取得が容易な登録販売者を配置すれば販売できるようになる。
「幅広い分野で事業拡大のチャンス」(三菱UFJ証券の佐々木加奈投資アナリスト)が見込まれ、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの参入意欲が高い。
セブン&アイ・ホールディングス(コード3382)は調剤薬局とセブン−イレブンを組み合わせた店舗の出店を計画。将来はイトーヨーカ堂全店での医薬品販売を目指す。ファミリーマート(8028)も大衆薬を販売する実験店「ファミマドラッグ」を都内に展開中で、登録販売者となるために必要な実務経験を社員に積ませている。
セブンとファミマは27日、それぞれ前週末比30円高の2160円、80円安の2685円とまちまちで終わったが、セブンは3月には2000円割れがあり、ファミマも4月15日の取引時間中に2570円の年初来安値をつけたが持ち直してきた。イオン、ヤマダ電機なども積極的な対応を進めており、改正法施行が近づくにつれて、流通大手は改めて市場のテーマとして浮上しそうだ。
マツモトキヨシなどのドラッグストアは新たなライバル出現でダメージを受けるが、「品ぞろえや営業努力で対抗できる」(準大手証券)とされる。
一方、製薬業界では大正製薬(4535)が第2類に該当するかぜ薬を新発売するなど拡販に力を入れている。27日終値は31円高の1817円。「薬事法改正が明るいニュースになる」(佐々木氏)との見方が強い。
◇
【アナリストの一言】
改正薬事法の施行で恩恵を受ける業界のすそ野は非常に広い。それだけに、業種によって影響の大きさが異なり、個別企業でも取り組み姿勢次第で収益面への効果はまちまちである点に注意したい。また、質の高い「登録販売者」を育成することも課題となりそうだ。