SankeiBiz

特集現在位置:ホーム > 特集 > 次代への一歩 > 記事詳細

エイベックス・グループ・ホールディングス(1)

2009/3/10

印刷する
ブックマーク:
  • イザ!ブックマーク
  • はてなブックマーク
  • livedoorクリップ
  • Yahoo!ブックマークに登録
前作と同様に興行収入50億円を目指す「レッドクリフ Part2」(C)2009,Three Kingdom,Limited.All rights reserved
前作と同様に興行収入50億円を目指す「レッドクリフ Part2」(C)2009,Three Kingdom,Limited.All rights reserved

 □総合エンタメ企業へ

 ■独立系の強み 映像事業カギ

 レコード輸入販売会社からスタートした、エイベックス・グループ・ホールディングス(AGHD)は「総合エンターテインメント企業」への脱却を急いでおり、その切り札の一つが映像事業だ。(堀口葉子)

 ◆携帯独自コンテンツ

 映像事業のなかでも力を入れているのは、携帯電話を活用して映像配信を行う「携帯放送局『Bee TV』」。これまで携帯電話やパソコン向けの映像配信は、劇場公開された映画やテレビ放送の二次利用ばかりだったが、Bee TVは携帯電話独自のコンテンツを制作するのが特徴だ。小さな画面での観賞やユーザーが手にする場面を想定して、企画、脚本、編集、カメラワーク、放送時間(1〜10分を予定)も携帯向けに考慮している。会員向けの有料コンテンツとして配信し、携帯世代の若者の囲い込みを図るのが狙いだ。

 このため、100%子会社で音楽や映像の企画・制作を行うエイベックス・エンタテインメント(AEI)と、NTTドコモが4月に共同出資会社「エイベックス通信放送」(ABC)を設立、6月から営業を開始する。

 合弁会社の資本金は35億円で出資構成はAEIが70%、ドコモが30%。AGHDの松浦勝人社長が会長、千葉龍平・AGHD副社長が社長に就任する予定。AEIの持つコンテンツ制作力、アーティストやタレントのマネジメントノウハウ、原盤権や知的財産権の展開力、そしてドコモの通信インフラや携帯電話の開発力を融合して事業を展開するという。

 「創立時から当社は、大きな利益が見込めるビジネスには徹底的に投資し、新しいアーティストやブームを生み出してきた。Bee TVも同じで今回は70億円をかける。リスクは高いが実行できるのがエイベックスであり、オーナー企業の強み」と松浦社長は自信をみせる。

 ◆アジア企業と連携

 AGHDは2005年に映像事業に本格参入したが、経験不足から利益は赤字続きだった。その原因を分析した結果、洋画の買い付けや、邦画「蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜」への出資など、収益を確保できないモデルばかりを選択していたことが鮮明になったという。

 「重要なのは、収益性の高い権利を確保できるプロデューサーのポジションを確保すること。そしてプロモーション力を発揮できるビジネスモデルに向けて当社は戦略を2パターンに変えた」(荒木隆司・AGHD上級執行取締役)

 その2パターンの戦略が「携帯放送局」と、アジア各地の有力パートナーと作品を開発する「Asia Co−Produce」だった。

 「Asia Co−Produce」のもとで誕生した映画「レッドクリフ PartI」はアジア各国合作映画にハリウッドの特撮チームが参加し、昨年11月に公開後、日本の興行収入は50億5000万円を記録。「アジア映画で50億円を突破したのは初めて」(日本映画製作者連盟の愛宕威志さん)という。今年4月には「レッドクリフ PartII」が公開される。「PartIIはアジアで前作以上にヒットしており、日本でも間違いなく成功する」(松浦氏)と確信する。

 今後は、もう一方の「携帯放送局」がAGHDの映像事業の成否を決定づけることになるが、大手芸能事務所からは「業界にとって新メディアの誕生は単に出演番組が増えることだけではなく、携帯電話から入ってくる新しいファンの獲得にもつながる」と歓迎する声も多い。「当社は2009年、重要なターニングポイントを迎える」と語る松浦社長、勝負の年に挑む。

                   ◇

 ■メモ

 CDの不振で音楽市場が縮小傾向をたどるなか、エイベックス・グループ・ホールディングスは2005年に構造改革を実施。レコード会社から脱し、総合エンターテインメント企業へと踏み出した。同社が進化を遂げるには、映像事業の成功がカギを握る。そこで同社は、収益の確保が難しい日本の映画産業構造(数社で収益を分配する製作委員会方式など)から脱し、アジア各国の有力パートナーと組んで行う企画開発をスタート。独立系の強みを生かしている。

「次代への一歩」のニュース一覧

今週のトピックス

注目特集

i. のおすすめ

  • 賃貸│マンション│不動産

    日本最大級の物件数から賃貸マンション等の不動産情報をサーチ!

  • FXトレーダーになろう!

    激動の世界経済に参加しよう!今話題のFXはじめませんか?

47クラブ on Buisiness i.