森精機製作所(3)「ものづくり」通じ世界に貢献
2009/7/23
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森精機製作所は、CSR(企業の社会的責任活動)活動にいち早く取り組んできた。中でもユニークなのは、本社が名古屋に移転した2004年から行っている「切削加工ドリームコンテスト」だ。
コンテストは、企業や大学、高等専門学校を対象に、マシニングセンター(MC、切削機械)などの工作機械で成形した作品を募集する。チームを組んで作品を応募する企業や団体が多く、作品のレベルは年々上がっているという。
◆技術というより芸術
![]() 第5回切削加工ドームコンテスト部品加工部門金賞を受賞したツウテックの「Helix Nozzle」 |
昨年の第5回コンテストには、参考出品を含めて全国から123点が集まった。
部品加工部門で金賞に輝いたツウテック(愛媛県東温市)の「Helix Nozzle(へリックス・ノズル)」は、直径10センチ足らずのノズルの外側に、モグラの手のような3本1組のつめが8カ所配置されている。
直径0.5ミリ、長さ18ミリのつめの深穴加工、さらに肉厚0.1ミリの薄肉の削り出しなどを5軸の複合加工機で行い、日本の工作機械の技術水準の高さを証明している。
金属・造形加工部門金賞の日双工業(京都府宇治市)の「たまごの殻アート」は、壊れやすい卵の殻の表面を削って人物画を仕上げた。
微細加工部門金賞のシティプラスチック(広島市安佐北区)は、PEEK(超耐熱性樹脂)製の歯ブラシを製作し、本物の歯ブラシと見間違うほど精巧にできており、いずれも、技術というより、芸術だ。
森精機のコンテストで入賞することは、参加企業のステータスにもなりつつある。06年度からは米国、07年度からは欧州でもコンテストを開き、世界の切削加工技術のレベルアップにも貢献している。
◆大学にも積極支援
![]() 森精機製作所本社には、応募作品の一部が展示されている=名古屋市中村区 |
大学への支援も積極的だ。森精機は20年以上前から、国内外の大学にMCや複合加工機などを5年間のサイクルで無償貸与している。
昨年5月、森精機が主な運営母体である工作機械技術研究財団の研究施設「京都リサーチインスティチュート」(京都市北区)を開設し、京都大と共同で高精密加工機の開発に取り組んでいる。半年に1回のプロジェクト報告会では、加工精度や熱変位などに関しての研究報告が行われている。
今年2月には、東京大と共同でインド工科大学向けに奨学基金を立ち上げた。また、07年11月に、世界約50カ国から約800人が参加し、静岡県で開かれた第39回ユニバーサル技能五輪国際大会では、オフィシャルサプライヤーとして協賛し、立形MCやCNC(コンピューター数値制御)旋盤を提供した。今年も、カナダのカルガリーの第40回大会に協賛する。
こうした活動が評価され、6月には、米国ミシガン州に本部を置く生産技術の国際研究組織「SME(生産技術者協会)」から表彰を受けた。
「昨今の教育現場で、想像することの大切さを教える機会が少なくなった。想像する、考えるプロセスの大切さを訴え、プロセスの重要性が分かる人材を増やしたい」
森雅彦社長は、ものづくりの分野での社会貢献の重要性を、こう強調する。(松村信仁)
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