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博報堂(4)DNAが動かす社会貢献活動

2009/8/28

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広告事業のノウハウを生かし、法政大で行われている特別講座。本来の活動とは別なところからCSRが生まれるのが博報堂のDNAだ
広告事業のノウハウを生かし、法政大で行われている特別講座。本来の活動とは別なところからCSRが生まれるのが博報堂のDNAだ

 「景気が悪い時期だからこそ、広告を通じて楽しさを伝えなければならない」

 博報堂の成田純治社長は、広告が社会に果たす役割をこう説明する。1960年に発表した博報堂宣言に、「広告は、つねに人々の生活を明るく、豊かにする」という文言がある。発表から半世紀を迎える現在でも、博報堂のDNAとして脈々と受け継がれている。

 2007年に専門部署を設置して本格的に始まったCSR(企業の社会的責任)活動にも、この精神が強く反映されている。

 「博報堂が社会に還元できるスキルを考えると、コミュニケーションや発想力に行き着いた」

 広報室CSR部の藤井慶太部長が説明する通り、メーカーと違って形のある商品や技術を持たない博報堂は、広告事業で培ったノウハウの活用をCSRの核に据える。

 2008年から本格的にスタートしたクリエーティブボランティアは、国際機関や行政、教育機関など「社会的に意義のある活動のお手伝いをする」(藤井部長)取り組みだ。

 08年秋からは、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本窓口の名称変更に関連し、新しいロゴマークの制作や、寄付を募るメッセージの発信といった広報戦略の立案に携わった。日本NPOセンターのガイドブックの作成など、4つの団体に、無償サポートも提供している。

 ◆「経験ない授業」

 新たに力を入れているのが、教育分野での取り組みだ。教育現場で起きる問題の原因に、コミュニケーション不足があるが、博報堂は、チームで協力した作業が求められる広告制作を通じ、「異なる意見や価値観を認め、ぶつかり合うことで伝えられることがある」(藤井部長)と考える。

 小中学校や大学、社会人向けにも、広告コピーの書き方や広報、マーケティングに関する講義を提供している。09年度から始めた法政大の特別講義では、法政大のブランディングをテーマに、広告作成に必要な発想やデータ収集、実際の広告作成までを体験する。「これまでに経験したことがない授業」と、学生にも好評だ。

 博報堂は特別講義と同様の教育プログラムを作り、法政大以外にも提供していく計画でいる。

 ◆社内に理念伝える場

 CSRの本来の活動とは別なところからCSRが生まれるのも博報堂らしさだ。

 「社員が、自分たちが持っている力で社会に何ができるかを強く意識するようになり、そこから生まれる取り組みも増えている」(藤井部長)という。

 生活者に関する調査を行う生活総合研究所は、蓄積されたデータを活用した市民教育の場「生活者発想塾」の開催を08年から始めた。

 社内のクリエーティブディレクターらを集めて、地震で被災した地域の生活に果たす役割を研究した「震災+デザイン」もまとめた。

 博報堂にとって、CSRは、「企業やブランドの資産としてだけではなく、社内に対して博報堂の理念やDNAを伝える場でもある」。藤井部長は、そう説明する。

 社内で受け継がれるDNAは、社会に影響を与える広告マンとしての発想を若手社員に伝える。そこからまた、新たな取り組みが生まれ、CSRを核にした好循環が構築されていく。(松岡朋枝)

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