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カーボンオフセット協会会長・井手敏和 新政権のCO2削減策

2009/9/15

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 ■グリーン消費者増やす制度を

 現在、われわれ生活者が排出する二酸化炭素(CO2)の量は、1990年比で40%以上も増加している。生活水準の向上によるエネルギー使用の総量が増えたことが大きな原因だ。

 例えば、90年のエアコンの世帯保有台数は1.14台だったものが、2005年には2.49台となっている(内閣府経済社会総合研究所調べ)。この間、エアコン1台当たりの消費電力は半分以下になっているが、全体の消費電力は増加したことになる。

 一方、国民の「グリーン意識」は着実に向上している。環境省が主導する「チームマイナス6%」プロジェクトには300万人以上が登録し、省エネ生活を心がけ、エコバッグやマイ箸(はし)、マイボトルを持つ人も増えている。そのような環境意識の高い人々を「グリーン消費者」または「ロハス層」と呼ぶ。

 日本でも4人に1人はロハス層であるという調査があり、価格が20%高くても環境配慮型の製品を購入すると答える人々である。

 ◆共感を得る施策とは

 例えば、ハイブリッドカーが発売された当初は、燃費改善で節約できるガソリン代と、車両の購入費用を比較すると、まだ車両価格の方が高く、「元が取れない」にもかかわらず、環境への配慮を優先して購入した人たちが少なからずいた。その後、ガソリン価格の高騰、ハイブリッドカーの価格下落を受けて、経済的にも見合うことになり、購入する層が一気に広まった。

 補助金やエコカー減税など政策面での後押しもあってのことだが、アーリーアダプターが率先して購入し、それがマジョリティーに受け入れられる要素が整ったことで市場が一気に拡大した好例である。

 麻生政権の温室効果ガスの中期削減目標(2020年に05年比15%減)を達成するには、電気料金の上昇などによって1世帯当たり年間7万6000円の負担増になるという試算があるが、民主党の目標(同30%減)はその倍の削減量であり、さらにこのコスト負担が増加することは避けられない。

 このような負担増を国民が受け入れ、低炭素社会に向けて舵(かじ)を切るには、国民の意識の変化を促す政策が不可欠である。

 その際、負担増を比較的受け入れやすいグリーン消費者層にアピールする施策をまず充実させることも一考である。社会全体では負担増になっても、個人的には「得をする」、つまり「頑張った人が報われる」という制度設計も大事なのではないだろうか。

 そういう意味では、現在の自然エネルギーで発電した電力の買い取り制度(2倍での買い取り)などをより充実させることが肝要である。

 ◆CO2を「見える化」

 そこで、低炭素社会への意識を高めることを目的に、CO2削減量を「見える化」するインフラの充実を提案したい。

 例えば、エネルギー消費量から換算したCO2排出量や、購入した商品のCO2排出量が自動的に記録されるシステム、移動に際して、電子マネーの「スイカ」や「パスモ」などにCO2排出量が記録されるような仕組みを構築し、世帯ごとにCO2排出量を把握できるネットアカウントを発行する。

 そして、そこに記録された排出量に応じて、より削減量の多い世帯にはポイントが還元されるなど、現在のエコポイントを進化させたようなインセンティブがあれば、CO2削減への意識が広まるのではないだろうか。

 排出したCO2を排出権や植林などで相殺する「カーボンオフセット」や製品ごとの排出量を明示する「カーボンフットプリント」制度など、現在普及しつつある「CO2見える化」の取り組み促進のためにも、ぜひ新政権の積極的な取り組みを期待したい。

                   ◇

【プロフィル】井手敏和

 いで・としかず 1987年渡米し、オーガニックなどロハス生活を実践。2007年ロハス・ビジネス・アライアンス(LBA)を発足し共同代表、同年ジーコンシャスを設立し代表取締役。08年カーボンオフセット協会を発足し会長。51歳。福岡県出身。

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