オリックス会長 宮内義彦氏(5)
2008/12/27
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■新しい価値生み出すのが使命
アメリカ発の金融危機をきっかけに、世界同時不況の様相が日増しに色濃くなっている。アメリカはこれまで世界経済の推進力となるエンジンの役割を果たしてきた。そのエンジンが壊れたために、世界中が混乱に陥ってしまったというのが現状だ。
世界経済を再構築し、再び前進させていくためには、新しいエンジンが必要だ。しかし、私は、現在の混乱が収まったときには、従来とはまったく別の世界が生まれていると思う。おそらく、アジアを中心に、多軸的にいくつかのエンジンができて、世界経済を牽引(けんいん)することになるのだろう。その中で日本は、たとえ小さなエンジンではあっても、国内需要を拡大し、持てる資産を活用することで、世界史上に例のない「豊かな先進成熟国家」の実現を目指すべきだと考えている。
これまで日本は輸出立国を目指してきたが、中国の台頭や円高が輸出産業に打撃を与えており、おそらくこれから輸出立国という方向性はそう長続きしないだろう。一方で、輸入産業は潤うはずだし、私たちの資産も円高で価値が上がっているので、内需を振興していけば経済成長を続けることが可能だと思う。
では、どうすれば内需を拡大できるのか。私は、日本のGDP(国内総生産)の70%を占める第3次産業の生産性を上げるべきだと考えている。小売業やサービス業などの日本の第3次産業の生産性はアメリカの50%程度と極めて低い。この生産性を上げることで、国内市場を拡大できる。
第3次産業の生産性を上げるには、やはり規制改革、構造改革を進めて、新しい産業をつくり出していくことだ。日本には規制があるがために生まれていない産業がまだまだたくさんある。そうした規制を撤廃し、次々と新しいサービス産業が生まれるようにすることだ。
また、1500兆円にのぼる個人金融資産も円高でドル換算の価値が上昇している。この個人金融資産を対外投資に振り向けていけば、輸出で稼げなくなったぶんを稼げるようになると思う。
ここで、オリックスの行く末にも触れておきたい。オリックスは1964年に、商社や銀行によって設立されたが、創業当初から、「自分の足で立つ」「新しいことに挑戦する」ことで社会に貢献するという考え方を貫いてきた。この考え方は、今やオリックスのDNAとなり、ベテランから若い人まで非常に厚い層の人たちが引き継いでくれていると感じている。
これから金融界も大きく変わることだろう。しかし、私自身はもう次の世代を視野に入れて日々送っているが、新しいことに挑戦し、新しい価値を生み出すことが私たちの使命だという思い、DNAが生きている限り、オリックスの将来に不安はない。(原誠)
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