総合商社のブランド戦略 収益安定への布石に
2008/9/13
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資源高やエネルギー価格の上昇を背景に、好調な業績をキープする大手商社が繊維関連のブランドビジネス拡大に力を入れている。過去最高益を更新するなど経営に余力があるうちに、環境の変化に左右されない安定的な収益力を確保しようとの思惑からだ。各社のブランドビジネス戦略を点検する。(西川博明)
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□三井物産
■注目の英スピード 旗艦店出店も準備
「ハナエモリ」「バーバリー」といった有名ブランドを手掛ける三井物産。同社が今後の展開に期待をよせているのが、2006年末に国内販売権を取得した英スピードのブランド力だ。
北京五輪の競泳で世界新記録を連発した水着「レーザー・レーサー(LR)」を筆頭に、今後は女性需要が根強いヨガ・フィットネス向け商材に加え、Tシャツなどのおしゃれ着、バッグなどの雑貨類、そして飲料まで商品構成を意欲的に拡大する作戦だ。
「消費者の反響も予想以上にいいようだ」
同社の木原伸一・ブランド事業室長はこういって胸をなで下ろし、実質販売初年度の2008年度は水着を中心に、約40億円の売上高を見込んでいるという。
現在、「スポーツファッションのメッカ」(木原室長)といわれる東京・表参道を最有力候補に、アジア初の旗艦店の出店も準備している。
これにより、5年後にはスピード製品の売上高を150億円に拡大、先行する米ナイキ、独アディダスなどに続く有力スポーツブランドに育てる方針だ。
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□住友商事
■コーチに次ぐ成長株 相次ぎ販売権を取得
「C」のモノグラムが付いた高級皮革製品の米コーチを有名ブランドに育て上げた住友商事。同社は2001年、コーチの日本法人を合弁で設立し、当時の欧米高級ブランドよりも価格を抑え、手が届きそうなラクジュアリーブランドとして、女性層の支持を集めた実績がある。
05年に日本法人株を米コーチに売却したが、この成功体験をもとに、いま新たなブランド育成に力を入れている。
同社は、06年以降「コーチに代わる大型ブランド」として、伊勢丹から買収した米専門店「バーニーズ」日本法人をはじめ、伊シャツ「ナラカミーチェ」、仏革製品「ランセル」の国内販売権を相次ぎ取得。現在は主力4ブランドを管理する形だ。
同社の大橋茂執行役員(ライフスタイル・リテイル事業本部長)は「ブランドは10個前後まで増やしたい」と意欲をみせ、今後も有力ブランド獲得に積極的に取り組む構えをみせている。
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□伊藤忠商事
■勝ち組の事業本部、アジアでも攻勢へ
大手商社の中で唯一、事業本部・カンパニー単位で「繊維」ののれんを残し、ブランドビジネスの先駆けとなっているのが伊藤忠商事。約150のブランドを大量管理し、繊維カンパニーだけで直近の業績で約200億円の最終利益を上げている。
08年度はスポーツアパレル「フィラ」のブランド力強化などに取り組む一方、この夏から米ハワイ発祥のサーフブランド「ライトニングボルト」のライセンス展開をはじめ、カジュアル衣料やサンダルなど商品構成を広げている。
こうしたなか、新たに収益に貢献してくるのが中国をはじめ経済発展が著しいアジアでのブランドリテール(小売り)戦略だ。繊維カンパニーは2010年度の最終利益を現状の1・5倍の300億円へ引き上げる“野心的”な目標を掲げるという。
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□双日
■ナイキの教訓生かしREEFで巻き返し
双日は、子会社の双日ジーエムシーを通じ、米国でトップシェアのサンダル商品を持つサーフブランド「REEF(リーフ)」の日本での独占販売権を取得した。来年1月以降、サンダルだけではなく、靴や水着、アパレル衣料・雑貨など幅広い「リーフ」ブランド商品を量販店などを通じて販売する。
値ごろ感のある価格帯を打ち出し、初年度売上高は2億5000万円、数年後に10億円の大台に乗せる成長戦略を描く。
双日は旧日商岩井時代に、世界最大のスポーツ用品メーカー、米ナイキ製品の国内販売を手掛けていたが、「商社冬の時代」といわれた90年代後半にナイキ製品の販売権を手放した苦い経験がある。ブランド事業は収益がある程度読めるだけに、「業績好調な今こそ、ブランド関連事業の再構築を手掛ける絶好のタイミング」(同社)と判断、攻勢に転じることにした。
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