3Dアニメ、驚異の映像 CGが生み出すリアルで千変万化の世界
2007/10/30
■さまざまな場面に活用
アニメーションの制作にコンピューターが使われるようになって20年近く。1995年に公開されたディズニーの「トイ・ストーリー」のようにすべてが3D(立体)CG(コンピューターグラフィックス)で作られたアニメ映画も増えている。日本人にはなじみ深い「鉄腕アトム」以来の2次元(2D)アニメに、3Dならではの表現力を合わせた作品も数々登場、驚きの映像を見せてくれる。(谷口隆一)
「手描きの方がよいんじゃないか、そのほうが『ボトムズ』らしさが生きるんじゃないかとスタッフから言われました」
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| DVD「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」。CGで迫力ある戦闘シーンが描かれている(C)サンライズ |
83年4月から1年間にわたりテレビ放送され、その後もオリジナルビデオ作品が幾度となく作られたシリーズで、人気の的となったのが「アーマード・トルーパー(AT)」と呼ばれる人間型のロボット兵器。鈍重そうに見えながら、腕のいい操縦者が扱えば、高速で地面を疾走して敵をなぎ倒す。この迫力をCGで出せるのかが問題になった。
「見る人も作る側も、『AT』が軽くなったり、玩具のように見えたりするのを恐れていた」と高橋監督。しかし「近作の『FLAG』で3DCGを使ってリアルな映像をおさらいして、『ボトムズ』でもいける自信ができた」
そうして生まれた映像では、敵が要塞(ようさい)を築き上げている海岸に上陸しようとする大量のATが、迎撃をくらい次々と破壊され、倒れていく激戦の模様が繰り広げられる。
海岸を埋め尽くす無数のATが、戦いのすごさや戦場の恐ろしさを見る人に感じさせる。「数を出すには3DCGという技術が有利だった」と高橋監督は説明する。「CGを使わず手描きだったら、遠景から大群が動いている様子を描いたかもしれない」
物語はそれでも描けるが、ビジュアルの迫力が伴ってこそのアニメーション。「成功かどうかは作り手は分からない。商品が売れ続けることが評価」と言い、全12話の完成に向けて走り続ける。
≪「数」の迫力も≫
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| 「もやしもん」の一場面。3DCGで描かれた菌が動き回る(C)石川雅之・講談社/もやしもん製作委員会 |
原作は講談社の「イブニング」に連載されている漫画で、作者の石川雅之さんは菌も手ですべて描いているという。アニメ化にあたってCG監督の八木竜一氏は「石川さんと話して、なるべく多くした方が面白いんじゃないかといわれて」増量を敢行。第2話で描かれた、酒を腐らせる火落ち菌が窓から噴出したり、廊下いっぱいに漂うシーンなどは菌の多さが圧力を感じさせる。
一般の人には見えないはずの菌が、主人公だけにはキャラクターとしてみえるというのが作品の設定。主人公の視点ではあふれる菌が、別のキャラクターに切り替わると消えてしまう。その変化も、CGならではの合成のしやすさがあってのもの。アニメならではの効果を生んでいる。
3Dで作られた菌は、画面では2Dのように見せる加工が施されている。しかし、オープニングでは実写の画面に立体のぬいぐるみのような姿で登場する。同じデータをもとに、さまざまな場面に活用できるのも3DCGの優位性。「もやしもん」では作り手のアイデアによってさまざまな表情を持った菌が楽しめる。
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■円谷プロ買収のTYOグループ 特撮も「模型よりCGが効果的」
巨大変身ヒーロー「ウルトラマン」で知られる特撮工房の元祖、円谷プロダクションが、テレビCMや映画制作などを手掛けるTYOグループに買収された。10月17日の会見でTYOグループ代表の吉田博昭氏が訴えたのはCGが持つリアリティーだった。「模型よりもリアルで映像効果の高いものが、CGを使えば短時間で安くできる」と主張した。
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| 「攻殻機動隊」の放映にあわせて製作されたプロモーション映像。ロボットが実在するかのようだ |
TYOグループには、CMやテレビドラマにCG合成を使って迫真の映像を生み出してきた実績がある。
「模型の安っぽさが良いという感覚は承知しているが、あまりに少数の人の愛着にこだわっていてはいけない」
次の「ウルトラマン」で打ち出される映像に注目が集まる。



